2015年4月19日日曜日

バリの新年を迎えて思う事。

今年は3 月21日がニョッピ(バリの新年)

東京の済生会病院の血液内科の先生から、回復著しく” バリパワーですね ”とお墨付きをもらいました。もうこの一年何の薬も服用していません。すべてはバリの自然の食べ物、飲み物、果実で治療をしてきました。放射線治療を受けた喉頭がんも順調に回復、声帯も以前に戻り、喉のしこりも徐々に取れて行っています。耳鼻咽喉科の先生も内視鏡で診て  ”きれいになりましたね ” と言ってくださった。
以前は西洋医学を施術される先生方は東洋的、また自然治癒などの話をするとあまり興味を示されなかった。今回は血液内科のエクスパートが ” バリパワーですね ”と言ってくださいました。そして日本を後に、バリの新年、その前に私の71歳の誕生日をウブドで家内と2人で静かに祝いました。



この歳まで元気でやってこれた事に、そしてこの一年誠心誠意で尽くしてくれた家内に感謝の誕生日でした。
バリの新年は慎ましやかにまさに謹賀新年なのです。大晦日には悪霊人形を行進、村の邪気をこの人形に込めて焼き払い魔除けをして新年を迎えます。元旦は火を使えないし、家から出る事もできません。暗闇の中、星一杯の空での迎春なのです。それは静かだけではなく、新しいエネルギーというか気が漂った一日で新しい力を頂いてあたらしい年の出発になるのです。元旦はバリの空港も閉鎖、澄み切った空気とバイブレーション、それはまさに精神にも肉体にも素晴らしいデトックスの日なのです。

オゴオゴだんじりは皆に担がれパレードします。

巨大なものは想像を絶するものが作られます。

元旦は食事も作れないので、大晦日にバラ寿司を作っておいてこれを元旦に食べます。そして庭の蓮も今年初の開花をみせてくれます。この新年を味わう為にわざわざこの時期に合わせて私の友人はバリに来ます。便利な国から来て不便を味わうのです。
また、伝統的な影絵芝居(ワヤンク リッ)もテガラランで鑑賞する事ができました。80歳のマイストロによる影絵の魅力は心をラマヤナの話の中に、影のイマジネーションが自分の翻訳をしてくれるようで、魅了されました。また我が村サヤン村でチャロナランと云う奉納舞踊劇が行われ夜中の3時まで続けられました。魔神のランダと善神のバロンが戦いますがランダの魔力の強さは村の青年までをもトランス状態にして自らにその剣を自分に当ててしまうのです。各村では自己のガムランバンドを持ち、村の人の練習の発表会でもあるこの奉納舞踊も村が独自で進めて行くのです。村人は「半農半芸」の素晴らしい生活スタイルを持ち合わせているのです。
京都の法事の時に作るバラ寿司。

バロンの神


チャロナラン
    
新年からバリの伝統的な文化を味わいながら、今年が素晴らしい年になるように生きて行こうと決意を新たにしました。神に与えて頂いた生命、失いかけて初めてそのありがたみと生きる喜びを感謝の気持ちで毎日を過ごし、バりの自然と文化を楽しみたいと思います。
家には4匹の犬が家を守ってくれています。昨年は長い間家を留守にして、入院や通院を日本でしていましたので、寂しい思いをさせました。これからはまたみんなと一緒にすごしたいと思っていた矢先、私のサヌール海岸のヴィラでの絵画教室にパンダをつれて行ったのですが海を見るのも外に出るのも初めてと云う箱入り娘犬は海岸を見るなりその恐怖で一目散に逃げてしまい。追っかけても広いヴィラに入って姿を消してしまいました。教室にも身の入らない状態でサヌールの海岸近辺をくまなく探し、声を出して呼んでも見当たりません。その日は暗くなるまで探しましたが見つかりませんでした。夜はビーチでご飯を食べながら犬の安否を心配していました。次の日は早朝から30キロ離れたサヌールに出向き、今度は母親のモカを連れての捜索活動となりましたが、見つからず暑いビーチの気候に失望感もあって疲れてウブドに帰ってきました。皮肉にもこの失踪の日の数日後がこの子の2歳の誕生日だったのです。半分諦めていると、昼間に捜索ビラを刷って渡したり店に貼ったおかげでヴィラの使用人の方がビラに良く似た犬が庭に隠れていると、電話があり、また車を一路サヌールへと、パンダでありますようにと祈りながら、現場に着くと見失ったヴィラは広くてそこで木を伐る作業をしていたおじさんが壁の隅の草むらに怯えて寝ている犬を見つけてくれたのです。パンダは恐がりで一晩中何も食べずに飲まずにジーッとここで隠れて寝ていたようで、動き回らなかったのが幸いしたようです。
有り難いことに家族を失う事がなくて神様に感謝です。


母親のモカとサヌールの路地を捜索する。


見つかった!家内は歓喜で叫びました。


これでやっとまた家族全員集合出来て本当に嬉しい。


新年前から色んな事が今年もありました、また始まりました。しかし病院で始まる新年ではない事が最高の新年でした。残り少ない親から神から頂いた命無駄にしないように ありがたく生きて行きたいものです。この一ヶ月絵を描く時間もないくらい、色んな事がありました、濃厚な一ヶ月でしたが、家内は一時帰国します。私はまた犬達との日常の中でゆっくりと生きて行きます。ありがとうございました。




オームスアスティアストゥ




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