空港からの家までの道のりは懐かしさと嬉しさで、
流れる景色を見逃さぬようにと夜行便の睡眠不足の目を見開いていた。
絵巻物のような景色にバリを感じずにはいられなかった。
車窓の横を3人乗りのバイクが走る、あー、バリに帰ってきたよー。
マニスガルンガンの日は静かで交通量も少ない。
家の前にはペニョールが建てられ風になびく。
先祖を迎えてのこの期間は朝晩、家でお寺でお祈りが続く。
なぜこんなにも心地よく、故郷に帰ったような安らぎが得られるのだろうか?
そこに自然と島民の信仰に包まれているからなのだろうか?
東京の合理的な便利な世界とは対照的に不便で見えないものを感じ、
信じて祈るエネルギーが当たり前のように思えてくる。
不便だからこそ自分と向き合う時間があるのだろう。
合理的ではなく合歓的なのかも知れない。
既に僕は癒しの波に呑み込まれているようだ。
もうすぐ犬達にも会えると思うとワクワクしてくる。
今日飛行機の窓から見た雲の形が犬だった。
もう僕を迎えに来てくれているのだなーと、感動した。
家の路地に入ったとたんにみんなの鳴き声が聞こえてくる。
門を開けると4匹が跳びついてくる。
身動き出来ない状態で皆と触れ合う、座っても乗っ掛かってくる、
もう誰も止められない。
「ごめんね、長い間留守をして、寂しかったんだねー」と犬に話しかける。
答えるように「ウオーウオー」と叫ぶ、落着くまでに20分はかかった。
あーやっと我が家に帰って来たなー、と言う実感が湧いて来た。
カデッが庭のパパイヤの実を取って来て蜂蜜をかけて出してくれた。
犬達も集まって来てみんなでパパイヤを食べた、至福の時間。
かあさん、とうさん、息子に娘。
僕の大切な家族。
殆ど寝れなかった夜行便の疲れも吹っ飛び、只ただ帰宅の感動に酔いしれた。
神様、ありがとう。辛い闘病生活からの開放は修行を終えた贈り物。
自分が一人で生きているなんてことを一掃し、
人の、自然の、動物の全ての生あるものに活かされている自分が幸せ。
周りのすべてに活かされているのを学んだ東京生活でもあった。
こんな機会が無ければ気がつかない、
人の、自然の、恩恵に吾は生きているのだなー。
感謝の気持ちで一杯です。
私の先祖さんもきっと今は僕と一緒にいると思うとありがたい。
29日のクニンガン(送霊の日)までは一緒に過ごしましょう。
オームスアスティアストゥ。
2 件のコメント:
森さん
よかったですね!!
森さんの嬉しい気持ちが嬉しい気持ちが伝わってきて私もなんだかありがたくて嬉しいです!
アシカ
バリに戻ってイキイキしている森さんの様子が目にうかびます。良かったですね!
犬たちも本当に喜んでいると思います。
どうぞこれからもお身体をご自愛なさってお健やかにお過ごしください!
yuko ohno (^○^)
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